口呼吸について 前島洋一

口呼吸について

口呼吸について

口をポカーンと開けている子供 をよく見かけませんか。それは、 口呼吸をしているのでしょう。
人は鼻で呼吸することで、鼻から入った空気の中のホコリや細菌などの異物を、副鼻腔のフィルター機 能により除去しています。それと同時に鼻腔において温められ加湿された空気は、肺胞で酸素が最も吸収されやすい状態となります。つまり 鼻は、加湿機能付きの空気清浄機の役割をはたしています。

これに対して口呼吸を続けていると、ホコリや細菌により風邪をひきやすくなり、免疫機能のバランスが崩れてしまいます。口腔内は乾燥し、自浄作用が低下し、朝起きるとのどが痛い、唇が荒れる、口臭がするなどの様々な病状が現れます。また、いつも口をポカーンと開けているため、外見的にもよくありません。

■口吸の原因
口呼吸の原因は、
・アデノイドや口蓋扁桃肥大、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻閉によるもの。
・上顎前突、上下顎前突などの不正咬合によるもの。
・気道には異常がなく、小さい時から習慣的に口を開けて呼吸を継続しているもの。
などがあります。
鼻咽頭疾患による口呼吸なのか、不正咬合によるものなのか、 習慣性のものなのかは、X線写真を確認することで、おおよそ判断することができます。

●口呼吸の影響
口呼吸をしていると、口をポカーンと開け、口を閉じて鼻呼吸をする習慣がついていないため口唇閉鎖力が弱くなってしまいます。 また、舌は下顎歯列内に弛緩した状態で収まっていることが多いです。

口呼吸の影響は、以下のようなことが挙げられます。

1.口唇が乾燥して荒れる。唾液がネバネバする。
2.歯肉炎や歯周病になりやすい。
3.口唇の開いている部分の歯が着色する。
4.舌背に色素沈着や舌苔が付きやすい。口臭の原因になりやすい。
5.低位舌になりやすい。
6.前歯を唇側より押さえる力がなくなり、前突や空隙歯列になる。

●口呼吸の治療
上顎前突などの不正咬合が原因する呼吸では、上唇が翻転して、 力が弱いショートリップと呼ばれる病状が多いのです。このような場合には、根本的に歯列矯正治療することで、口呼吸や口元を改善することが可能です。
しかし、鼻疾患やアレルギー性鼻炎による口呼吸は、耳鼻咽喉科での治療が必要になります。鼻の通りを改善することができれば、 鼻呼吸を行いやすくする効果があります。鼻呼吸を伴わない習慣性の口呼吸は、口腔筋機能療法により改善が可能です。これは、弱くなっていると考えられる筋肉を選択的に強くする、いわば筋肉トレーニングの一種です。

もう一つ、口呼吸を鼻呼吸へと改善させるためのトレーニング方法として、『あいうべ体操』があります。これは、口を大きく 「あ ~い~う~べ~」とうごかします。これをしっかり継続することで筋カアップし、口を閉じる力がついてきます。
口呼吸はさまざまな疾患との関連性が指摘されるなど、健康上無視できない口腔習慣です。口腔内疾患、全身疾患への予防・改善などの観点からも、しっかりと原因を把握しそれに合った治療を進めていくことが必要です。

【参考文献】
はじめる・深めるMFT
〜お口の筋トレ実践ガイド~
デンタルダイヤモンド社

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